患者教育

患者さんは、理解できた治療を受け入れます

歯周病は、それを抱えている本人には見えません。ペリオチャートは所見を目に見える形にします。会話は説得から理解へと移り、治療計画はおのずと伝わります。

測定値から意思決定へ

会話を変える3つのステップ

どれも患者さんに「信じてください」と求めるものではありません。各ステップが、ご自身で確かめられるものを示します。

見る

記入済みのチャートは、すべてのプロービング深さ、出血部位、歯肉退縮を1つの画面にまとめます。深い部位はすぐに目立ち、数値をひとつも先に説明する必要がありません。

理解する

平易な言葉が専門用語を、患者さんが追える表現に変えます。6mmのポケットが何かを一度知れば、ご自身のどの歯がそうなのかを自分で見分けられます。

判断する

自分のチャート上で問題を指し示せる患者さんは、抽象的な提案ではなく自分の口の中について判断しています。同意は、しぶしぶではなく納得のうえのものになります。

説明ツールとしてのチャート

歯1本あたり6つの測定値を、1枚の図に

全顎の検査では100を優に超える数値が出ます。読み上げても患者さんには何も伝わりません。ご自身の歯を写実的に描いた図の上に置けば、同じデータが誰にでも追える物語になります。

写実的な表示。
抽象的なマス目ではなく、実際の歯と歯ぐきの形に沿って描かれるため、患者さんは自分の口の中だと認識できます。
必要なところに色を。
出血部位と深いポケットが視覚的に示されるので、健康な部位と病変部位の違いがひと目で分かります。
全顎のサマリー。
出血・プラーク・平均ポケット深さの統計が個々の所見を位置づけ、経過を追うための1つの指標になります。
歯ごとのプロービング深さ・プロービング時の出血・歯肉退縮を示すペリオチャート

パーセンテージ推移

BOPプラーク排膿

ポケット深さ推移

平均最深

深いポケット部位の推移

≥4mm

CAL推移

平均最大
Mar 2024
Jun 2024
Sep 2024
Dec 2024

チェアサイドで、そしてその後も

患者さん自身が見て分かる変化

メインテナンスの最も強い根拠は、その患者さん自身の前回のチャートです。次回の来院で同じ部位を記録すれば、改善も悪化も、こちらが解釈を加えずとも目に見えます。

来院ごとの比較。
過去の検査は記録として残るため、変化を言葉で説明する代わりに、同じ口の中を治療前後で並べて示せます。
持ち帰れるもの。
チャートを印刷用PDFとして書き出せます。治療の判断は自宅で行われることが多く、うろ覚えの会話より書面のほうが確実です。
患者さんの言語で。
画面表示も書き出したチャートも対応するすべての言語で利用できます。判断する人がチェアに座っている人とは限らない場面で効いてきます。

歯周病の用語をやさしく

ポケット深さ(PPD)
歯ぐきと歯のあいだの隙間を、ミリ単位で測ったものです。およそ3mmまでならご自宅の歯みがきで届きます。それより深いと歯ブラシの毛先が底に届かないため、専門的なクリーニングが必要になります。
プロービング時の出血(BOP)
やさしく触れたときに出血するかどうかです。健康な歯ぐきは出血しません。出血は炎症が起きているしるしで、異常を示す最も早いサインであり、治療によって最初に改善することが多い項目でもあります。
アタッチメントレベル(CAL)
歯ぐきが歯に付着している位置を、歯ぐきのふちではなく歯の決まった基準点から測ったものです。ポケットの深さではなく、支えがどれだけ残っているかを示します。失われた付着は元には戻らないため、後から徹底的に治療するより、早い段階で治療することのほうが重要になります。
歯肉退縮
歯ぐきが下がって、根の一部が露出した状態です。冷たいものがしみる原因や、歯が以前より長く見える理由になることがよくあります。
歯の動揺
力を加えたときに歯がどれだけ動くかです。わずかな動きは正常ですが、それ以上は歯を支える骨が減っている可能性を示します。
根分岐部病変
根が複数ある歯で、根が分かれている部分のことです。病変がここに及ぶと非常に清掃しにくくなり、治療計画にもその歯の長期的な見通しにも影響します。

見えているものを、そのまま見せる

全顎の歯周組織検査を記録し、患者さんが理解できるものをお渡しください。

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歯周病の所見を患者さんに説明する

なぜ患者さんは歯周治療を断るのですか?
多くの場合、どこも痛くないからです。歯周病は進行するまで痛みがないため、治療計画が「自分にはない問題への対処」に見えてしまいます。所見を言葉で説明するのではなく見せることで、判断の対象が変わります。こちらを信用するかどうかではなく、自分の目で見えているものにどう対処するか、という話になります。
専門用語を使わずにポケット深さを説明するには?
歯ぐきと歯のあいだの隙間だと説明し、清掃と結びつけてください。およそ3mmまでは歯ブラシが底に届きますが、それより深いと届かないため、その部位はご自宅では清掃できません。数値を毎日の習慣と結びつければ、二度説明する必要はほとんどありません。
検査中、患者さんには何を見せるべきですか?
記入されていくチャートそのものです。患者さんの前で測定値を記録すると、検査は「自分の身に起きること」ではなく目に見える作業になり、深い部位が目の前で積み重なっていきます。治療の話に入るころには、根拠が集められる過程をすでに見届けています。
患者さんはチャートを持ち帰れますか?
はい。すべてのチャートは、プロービング深さ、プロービング時の出血、歯肉退縮、動揺度、根分岐部病変、統計サマリー全体を含む印刷用PDFとして書き出せます。治療の判断は、診療室にいなかった家族と自宅で話し合って下されることが多いため、これは重要です。
治療の効果をどう示せばよいですか?
治療後に同じ部位をもう一度記録し、比較してください。通常は出血が最初に改善し、患者さんにとって最も理解しやすい変化です。過去の検査は記録として残るため、比較の対象は治療一般の効能ではなく、その方自身の口の中の経過になります。
患者さんが私の言語を話さない場合は?
チャートは大部分が視覚的な情報なので、それ自体が説明のかなりの部分を担います。加えて、画面表示も書き出したPDFも対応するすべての言語で利用できます。ご自分のペースで読める書面をお渡しするほうが、通訳を介した会話より役立つことも少なくありません。